添い寝だけのはずでしたが
 葵さまに買い出しに行くことを伝え、今日は別々に帰宅することになった。


 文句を言われることも、止められることもなく……。


 少し前の葵さまなら一言苦言を呈してきそうなものだけど、今はそういうことがない。


また無関心な葵さまに戻ってしまった。


それを寂しいと思ってしまうのは、私の勝手だよね……。


体育館係の6人で大型商業施設へ到着すると、効率的に回るために2人ずつの3グループに分かれることになった。


実はその中に宇治山くんもいて、偶然私とペアを組むことに。


一緒に文房具コーナーで必要な物を購入し、他のメンバーの買い物を待つ間、カフェで過ごすことにした。


「はー、何とか間に合いそうだな。よかった」


「うん。宇治山くん、選ぶのが早くて助かっちゃった」


「迷ってる時間がもったいないだろ? 結構せっかちなんだ」


「そうなの? 意外だね」


 温和そうだしゆったりしているイメージ。


「えー、俺ってどういう印象?」


「優しそうで、のんびりしてて……黙って女子の後ろをついて歩く感じかな」

「ははっ、奥ゆかしいな。寧々ちゃんは俺からしたらそう見えるけど。結構、そういう子は好きだよ」


 何気なく、好きなタイプって言われたの?


 ううん、会話のノリだよね……きっと。


< 173 / 248 >

この作品をシェア

pagetop