添い寝だけのはずでしたが
「そういうものですか?」


「ああ……」


なんだかその優しい表情に、ほっとする。


葵さまって不思議な人。冷たいかと思えば、不意にとても優しい表情をする。


昨日出会ったばかりで葵さまのことは何も分からない。


不眠症を抱える葵さまのために、添い寝係として私にできること。


それは、もっと葵さまのことを知って少しでも心に寄りそうことだよね。


そして私も個人的に興味がある。


本当の葵さまは、どんな人なんだろう……。


「分かりました。これからは気楽に話しかけますね」


 葵さまに一礼した後、急いで自分の部屋へ向かった。






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