私が社交界を騒がす『毒女』です~旦那様、この結婚は離婚約だったはずですが?
 何も知らない者がそれらを手にしないように、ユージーンの部下たちが厳しく目を光らせている。
「すまない。知らなかった。よければ、もう少し君のことを教えていただけないだろうか?」
 そこでまた、ネイサンに耳打ちされる。
 どうやら食事の場で話すような内容ではないらしい。
「このあと、君の部屋へ行ってもいいだろうか?」
 ネイサンもメイもひゅっと喉を鳴らした。
 クラリスだけは「はい」と笑みを浮かべた。
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