呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
1 敵国に嫁ぐことになりました
「敵国に嫁がせていただきありがとうございます!」

 私のお礼の言葉に、家族全員が馬鹿にした目を向けた。
 空気読め――そんな雰囲気が漂っていた。

「私、なにかおかしいことを言いましたか?」
 
 皇女として扱われずに、育てられること十八年。
『呪われた皇女め!』と言われ、皇宮に閉じ込められて生きてきた。
 嫁ぎ先が敵国とはいえ、待っているのは、広い外の世界。
 お礼を言わずにいられなかったというわけですよ。

「まさか、シルヴィエお姉様。敵国で幸せになれるとでも、思っているのかしら?」

 皇帝陛下(お父様)のお気に入り、妹のロザリエが、口元に手をあて、必死に笑いをこらえ、私に言った。
 
「そのつもりです」

 変化の少ない皇宮で、楽しく暮らしてきた私。
 そんな私が得た言葉は――

『ささやかな幸せを大切に』

 これが私のモットーです!
 そういう気持ちでいれば、どんな質素な暮らしでも楽しく暮らせるってものなんです!
 たとえ、豆の粒を数えられるほど、具の少ないスープだったとしても!
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