呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
 お兄様は入ってくるなり、侍女たちに指示を出した。

「殺菌効果のある薬草を置くんだ。以前、効果があっただろう? それから、お湯につけた布で、喉を温めろ。蜂蜜とショウガのお茶を用意し、体を冷やさせるな」

 すべて症状を軽くするための方法で、治療法ではない。
 それが歯がゆい。
 薬草が効いたのか、少し発作が収まり、息がしやすくなり、声を張り上げた。

「お兄様、どこへ行っていたの? 私のそばにいてってお願いしたのにっ! お姉様のところへ行っていたんじゃないでしょうねっ!」
「剣の稽古だ」

 本当かどうかわからない。
 先日、お兄様がお菓子とドレスを注文していたのを知っている。
 私の誕生日のためだと思っていたのに、注文されたはずの品物は、私のところへ届かなかった。
 お兄様の嘘つき――ギリッと奥歯を噛みしめた。

 ――処刑されるはずだったお姉様を助けてあげたのに、お兄様は私を利用するだけ利用して、裏切ろうっていうの?

 あのまま、お姉様は処刑されてしまえばよかったのだ。

「ロザリエ。薬だ」
「いらないわ。薬より、私のそばにいて。命令よ」
 
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