３０歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです

「ふふ……私は関係ない話だった」

なんとなく自分と主人公を重ね合わあせてみたものの、重なる部分なんてなかった。

美加は明日で３０歳。
独身、交際経験ゼロというフリーコンボを決めることになる。

「まさか自分が３０歳まで交際経験ゼロだなんてね……」
発泡酒をあおってふぅとため息を吐き出す。

こう見えても学生時代にはすごくよくモテたと思う。

毎日のように男子生徒から告白の呼び出しがあり、毎日のようにラブレターももらった。
だからだろう。

『私に釣り合うわけがない』と勝手に思い込んで呼び出しには答えず、ラブレターに返事も出さなかった。
そんな態度を続けていれば、当然誰も相手にしてくれなくなってくる。