踏み込んだなら、最後。
突然そんなことを言われて、「わかった」なんてうなずくとでも思っていたのかな。
昔からそこまでワガママを言わなかったし、弟や妹たちにもいろいろ譲ってきた。
でもそれだけは素直に聞くことができなかった今日という日。
「帰らないって、どこに行くの…?」
「…友達のとこ」
「ともだち…?学校は…?」
「…できるだけ通うよ。そこから」
急に言われたって無理だよ。
そんなのみんな心配するし、納得できるはずがない。
頭ごなしに言ったとしてもシロちゃんが嫌気をさすことを知っていたから、私は平然を装いながらも質問ばかりをしてしまう。
「なにが、あったの…?」
「…なにがあったって?」
「最近…、シロちゃん変だよ」
匂いも、日が経つにつれて濃くキツくなっている。
それは誰の匂いなの。
私たちは一緒に生活している家族なんだから、他人の匂いが付いていればすぐに分かるんだよ。