踏み込んだなら、最後。




ひまわり園の門の前、ちょうど庭で遊んでいた小学生組が私たちに気づく。

千石くんの家もこの先だというし、方向的には同じだった。



「ユキおねーちゃん、もしかしてカレシ~?」


「えっ!?違う違うっ」


「ちがうんだー。私の友達だってみんなカレシ持ちなのに」


「……そうなの…!?」



まだ小学5年生だよね…?

それってちゃんとした付き合い…?
とくに考えてもない付き合いはダメだよ。


なんて、自分の経験値は浅いくせにお姉ちゃんとして言うことはキッチリと。



「ユキおねーちゃんそんなこと言ってたらカレシなんて一生できないね!」


「うっ……」



すごい、グサッときた……。

確かになっちゃんのほうが早くゲットしちゃいそうだ。


いつの間にか彼氏を連れてきて、「ユキおねーちゃんはまだいないの?」なんて言われる未来が見えた。



< 78 / 280 >

この作品をシェア

pagetop