踏み込んだなら、最後。




「あの…、私と千石くんは付き合ってないよ…?」


「「はっ!!?」」


「うん、勘違いしてるところ申し訳ないんだけど…」


「いやいや!一緒に抜け出しておいてそれはないって…!」



昨夜もいろいろ聞かれて、グループチャットは大暴れだった。

これ以上話していても埒(らち)があかないと思って、寝落ちしたふりをしちゃったことは秘密だ。



「だから本当に付き合ってなくて…」


「今はねー?ふふふっ、由季葉にもとうとう訪れました春っ!!」


「いえーいっ!あたしら恋のキューピッド!!」



仲睦まじくハイタッチなんかをしているみっちーとかなりんをすり抜けて、なんとか席に座った。


そんなこと言われると余計に緊張しちゃうよ…。

今日から一緒に帰る約束をしている。



「ユキおねーちゃんおかえりー!」


「ただいま」


「あっ!知らないおにーさん!ユキおねーちゃんのお友達?」


「…こんにちは」



< 77 / 280 >

この作品をシェア

pagetop