デスゲームは花畑で。ー菫編ー

菫の花と一枚の手紙

はぁ、と大きなため息。
無職でニート、鈴村港23歳。
高校は中退。大学なんて行っていない。
クラスメイトはみんな有名大学へ。
俺だけ置いて行かれた気分だ。
静寂が残る部屋の中、俺は静かにアルコールを口に含む。
まあこんなんだから女性との交際もゼロ、財布の中身はせいぜいあって一万円。
はあ、ともう一度大きなため息。
同時にドンドンと戸を叩く大きな音。
またあの大家か…居留守をしても無理なことは既に分かっているが面倒臭いので放っておく。
『ちょっとまだ!?今月の家賃!』
五月蝿い…俺だって、好きでこんな生活をしているわけじゃないのに。。。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ある日、俺宛の手紙が届いた。
なんだろう…ついに公共機関が口を挟みにきたのだろうか。
古紙の封筒に真紅のなシーリングスタンプが押してある。
金持ちのすることだ。
となると…有る事無い事押し付けてくる借金取りか?
とりあえず、封を破ってみた。
すると、一枚の紙と菫の花が。
紙にはこんなことが書いてあった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あなたは素晴らしい方です。
なんてったってこの手紙が届いたんですからね。
この手紙は一億円を手に入れることができるかもしれない、幸運な手紙です。
どうでしょう、私の屋敷に来て、“ゲーム“をしてみませんか?
賞金は先ほど言った通り、一億円です。
明日、菫邸でお待ちしています。
ぜひお越しください。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
…不思議だ。
一億円を手に入れることができるゲーム?
そんな上手い話あるわけないじゃないか。
何か絶対裏があるはず…でも一体なんだろう、、、
さらにこの菫の花…一体何のために入れたんだ?
まあいいか…とにかく怪しいことには変わりないし、早く破って捨ててしまおう。
ドンドンドン!
…またか、、、
『ちょっと!居留守しても無駄なんだからね!!』
はあ…憂鬱だ…あ、そういえばこの前借りた金もまだ返せてないな…
ご飯もしばらくまともに食べてない…
あーあ、金さえあれば…
…そうか、金さえあれば、いいのか。
俺は急いで明日の支度をした。
その“ゲーム“に参加するために___
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ふふ…どうやら全員当日に来るみたいだね、、、
とても楽しみだ…
私の“花“たちよ…
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