名ばかりの妻なのに、孤高の脳外科医の最愛に捕まりました~契約婚の旦那様に甘く独占されています~【極甘婚シリーズ】
「あの……若狭國治議員のご容体は?こちらの病院に入院していると伺ったのですが……」
そう尋ねると祐飛はあからさまに警戒を強め、ギロリと雛未を睨んだ。
「あんた、マスコミ関係者なのか?聞くだけ無駄だと、何回も言っているはずだ。患者に関することは一切話さない」
祐飛はうんざりしたように吐き捨てた。雛未をしつこいマスコミ関係者だと完全に誤解している。
「違います!私はただ……」
「帰れ」
祐飛は冷たく言い放つと、雛未に背を向け中庭から立ち去ろうとした。
「待ってください!」
必死になって呼び止めたが、祐飛は頑として応えようとしなかった。
……彼は若狭國治へと繋がる唯一の手掛かりだ。
やっとの思いで掴んだ、か細い糸を離してなるものかと、歯を食いしばる。
「……娘かもしれないんです!」
雛未はありったけの想いを込めて叫んだ。
祐飛の足を止めるためには、それなりの衝撃が必要だった。
目論見は当たり、祐飛はようやく雛未に視線を向けた。
「……は?」
「私は若狭議員の娘かもしれないんです……。お願いです。話を聞いてください!」
雛未は当たって砕けろの精神で、祐飛にありのままを説明した。