愛なき女の生涯
(思えば…祖母の自殺騒動も、子供心に印象的だった。母方のおばあちゃんと違って、父方の祖母からは全く可愛がられた記憶もなければ、そもそも女の子は要らないとまで言われたけどさ…。だけど、実は憐れな人だったのかもしれない)
 だりあは、父の死をめぐり、親戚の非情さを思い知った反面、遠方の幼馴染を筆頭に、血縁のない他人様ほど親切にしてくれたことを思い出す。
 父の葬儀を依頼した、近所の葬儀屋の娘にしても、葬儀も終わり、もう利害関係もないのに、
「私、だりあさんと同い年なんです。何かあればいつでも言ってくださいね」
 そんなことも言ってくれていた。
(親切な他人様との御縁に感謝しないとなぁ…。祖母は、結婚して子供も孫も居たところで、孤独な人生だったみたいだ。周りがみんなクズばかりだったのもあるだろうけど、きっとそれだけじゃないよね。一人ぐらい味方は必ず居たはずなのに、その縁を蔑ろにしたからでは?)
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