この愛が、いつか咲きますように
振り返ってそう言った悠二は、照れ臭そうにしていた。そんな彼の背負っている鞄には、愛華が貰ったものと同じうさぎのストラップが付いている。違うのはうさぎの抱き抱えている石の色くらいだ。愛華のキーホルダーはピンクだったが、悠二のは水色である。

「あのキーホルダーもいつもの冗談のつもり?同学年の気になる子にあげたらよかったのに」

愛華が平静を装いながらそう言うと、「違う!」とすぐに否定された。悠二の顔は真っ赤に染まっている。

「俺、冗談であんなこと言ってるんじゃないよ。いつだって本気でプロポーズしてるよ。四月に転んで保健室行って先生見た時、一目惚れしたんだ!」

驚きで言葉を失う愛華に悠二は近付き、彼女の両手を優しく包む。そしていつもとは違う真剣な顔で言った。

「先生、俺本気で先生が好き。結婚しよ?」

彼の鞄に付けられたストラップが大きく揺れた。










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