千年愛


「やっぱり…。」

「何がやっぱりだよ。」

「やっぱり…来ると思ってた。」

「当たり前だろ。覚えてたんだ?」



アーサは答える代わりにコクンと頷いた。



「高3の11/10…アタシの誕生日だったよね。レオが…この指輪をくれて…プロポーズしてくれた。

ちょうど今日と同じ位の時間だったよね。」

「あー。」

「だから…もういいんだあ。」

と亜里沙は無理して強がっていた。

「何が…?」

「いい…。レオが忘れていなかった。それだけで…いい。」

「だから…レオはあの人と結婚して幸せな家庭を作ってね。」

「何がもういいんだ?よくねえよ!いいわけないだろ?

まだあの時の俺との約束…果たしてないだろ?あの日の約束果たすまでは絶対にアーサを放さないからな!

いいかっ?」

「ありがとう…。でも…」




< 68 / 276 >

この作品をシェア

pagetop