魔女ごときが魔王様をダマせるはずがない
ラーシュはソフィーの目を見てコクコク頷くと、一旦魔界へ戻った。
そして大急ぎで魔法でソフィー宛てに手紙を書くと、それをくちばしにくわえ再び人間界へ転移した。
「えっ、私に? 誰からかしら……」
ソフィーはすぐさま開封した。
「魔王城の侍従長をしている者です、と……そう、魔王には王女殿下の身代わりだとバレてしまっている可能性が高いのね。だけど相手は魔王ですもの、当然だわ。最初から無謀な計画だって分かってた」
ソフィーの声は震え出した。
(続き! 早くその続きを読んでみてください!)
「……あら? でも魔王はもう怒ってはいない……」
次の瞬間、ソフィーは手紙を胸に抱き、『ほお』とため息を漏らした。その瞳は潤んでいる。
「イーダを人間界に帰せるように働きかけてくれるなんて! ああ、感謝します!」