魔女ごときが魔王様をダマせるはずがない
「君が大魔女……?」
外見こそ変わったものの、紛れもなくサンディだ……とソフィーは思った。
ここまで飛んでくるまでの間に、再会のシーンを幾通りも想像した。
心の準備ができていたソフィーとは対照的に、国王は狼狽している。
「そうです」
「あのカラスは……そういうことだったのか」
国王は何か合点がいったらしい。
「失礼は承知ですが、話をする前に薬瓶を下ろさせてください。胡散臭い魔女が手ぶらで王宮へ来てはいけないと思い持ってきたのですが、ものすごく重いので」
「あっ、も、もちろん。配慮に感謝する」
(配慮ではなく、当てこすりだったんだけど?)
ソフィーはゆっくりと垂直に下り、薬瓶の底がバルコニーに接したところでロープを解いた。
「感染防止のために、このままで構わないでしょうか? それとも私もバルコニーに下りましょうか?」
「いやっ、いい……そのままで……」