魔女ごときが魔王様をダマせるはずがない

「魔王に届けてくれる? それで返事をもらってきてほしいの」

 ラーシュは頷く。

「魔王から返事をもらったら、私ではなく直接国王陛下に届けて。陛下、それでいいですよね?」

「あ、ああ、構わない」

 ラーシュはそれだけ聞くと消えてしまった。

 国王と、後ろにいた騎士たちは息を飲んだ。

 平然としているように見せていたが、実のところソフィーもこれには驚いていた。

(魔王がラーシュを自分の居場所に転送させた……とか?)

 たぶんそうなのだろう。

「それでは、私もこれにて失礼します」

 長居はしたくなかった。

 これ以上差し向かいで話していると、余計なことまで思い出してしまう。

 ソフィーは急上昇してその場から逃げた。

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