魔女ごときが魔王様をダマせるはずがない

 魔界に戻った途端、ラーシュの耳に快活な声が飛び込んできた。

「国王の住まいは見てきたか?」

 目がキラキラと輝いている。

「ええ、ええ。見てきましたよ」

「何だよ、その投げやりな言い方」

 さっきの第一王女(推定)と国王の顔が交互に浮かんだ。

 ため息がついて出た。

「第一王女らしき人物の部屋を確認できました」

 魔王が目を見開いた。

「どんな部屋だった?」

「白い家具で統一されていましたよ」

「白い家具……?」

「はい、まっ白でした」

 魔王とは対極なイメージの部屋だった。

「そうか……てっきり無垢材の家具に囲まれてるかと……」

 侍従長は首を傾げた。

「どうしてそう思われたのでしょうか?」

「いや、気にするな。ただの勘違いだ。白でも何でもいい。とにかく王女が気に入りそうな部屋を用意しておいてくれ」
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