ウソから出たマコト~ニセモノの愛から生まれたホンモノの恋~
「社長の肝入りで設置が決まったその委員会は、簡単に言ってしまえば、現在、会社で行われている業務や作業を見直して、今よりも良くしていくことを目的としているんだけど、作業や業務だけでなく、社内の組織も大胆に見直していくということになった。それで・・・そこでの検討課題の1つとして『有人受付の廃止を含む、受付業務の見直し』が盛り込まれたの。」
(やっぱり・・・。)
その言葉を聞いて、凪咲と千晶は同じ思いを抱いた。
「2人共、あんまり驚いてないね?」
貴恵が意外そうな声を出すと
「この前、桜内さんがちょっと意味深なことをおっしゃった時、ひょっとしたらそんな話があるのかもって、千晶ちゃんと話していたんです。」
凪咲が答える。
「そっか・・・。」
「でも、ウチの会社の規模で、有人受付ブースを廃止するなんて、無理に決まってます。」
「私もそう思います。」
千晶の言葉に、凪咲も同調すると、貴恵も
「私もそう思う。受付業務の重要性も大変さも知らないで、やれるものなら、やってごらんなさいよって言ってやりたくなる。」
1つ頷いた後
「でもね、取締役の中には、受付業務を軽視するだけじゃなく、私たち受付嬢をただのマスコットガ-ル、来客にニコニコと笑顔を振りまいて、媚びを売ってるだけの男社会が産んだ悪しき遺物と、偏見を持つ向きがあるのよ。」
と悔しそうな表情になって続けた。
「そんな・・・。」
「それって酷過ぎません?」
「失礼ですが、どなたがそんなことを・・・。」
「常務よ。」
「常務?」
栗木佳代子、営業事務として入社した後、営業マンに転身。そこで輝かしいばかりの実績を積み上げ、創業家三代目の新城正社長の抜擢を受け、40歳半ばにして、社内NO4の常務のポストにいる。かねてから、男性上位の社風に異を唱え、風穴を開けて来たと言われる人物が、よりによって同性である自分たちに牙を剥いてきたのかと、凪咲と千晶は思わず顔を見合わせる。
「ただでさえ、私たちが気に入らなかったところに、先日の渋滞騒ぎで、自分の秘書である理沙さんが応援に駆り出される羽目になって、いよいよ『あんなちゃらちゃらしてるだけの連中なんか必要ないじゃない』ってことになったらしいのよ。」
「ということは、私のせいってことですか・・・。」
そう言って落ち込む千晶の横で
「でも元ブースチ-フの三嶋さんは、秘書として常務にとりなして下さらないんですか?」
凪咲は疑問を呈する。
(やっぱり・・・。)
その言葉を聞いて、凪咲と千晶は同じ思いを抱いた。
「2人共、あんまり驚いてないね?」
貴恵が意外そうな声を出すと
「この前、桜内さんがちょっと意味深なことをおっしゃった時、ひょっとしたらそんな話があるのかもって、千晶ちゃんと話していたんです。」
凪咲が答える。
「そっか・・・。」
「でも、ウチの会社の規模で、有人受付ブースを廃止するなんて、無理に決まってます。」
「私もそう思います。」
千晶の言葉に、凪咲も同調すると、貴恵も
「私もそう思う。受付業務の重要性も大変さも知らないで、やれるものなら、やってごらんなさいよって言ってやりたくなる。」
1つ頷いた後
「でもね、取締役の中には、受付業務を軽視するだけじゃなく、私たち受付嬢をただのマスコットガ-ル、来客にニコニコと笑顔を振りまいて、媚びを売ってるだけの男社会が産んだ悪しき遺物と、偏見を持つ向きがあるのよ。」
と悔しそうな表情になって続けた。
「そんな・・・。」
「それって酷過ぎません?」
「失礼ですが、どなたがそんなことを・・・。」
「常務よ。」
「常務?」
栗木佳代子、営業事務として入社した後、営業マンに転身。そこで輝かしいばかりの実績を積み上げ、創業家三代目の新城正社長の抜擢を受け、40歳半ばにして、社内NO4の常務のポストにいる。かねてから、男性上位の社風に異を唱え、風穴を開けて来たと言われる人物が、よりによって同性である自分たちに牙を剥いてきたのかと、凪咲と千晶は思わず顔を見合わせる。
「ただでさえ、私たちが気に入らなかったところに、先日の渋滞騒ぎで、自分の秘書である理沙さんが応援に駆り出される羽目になって、いよいよ『あんなちゃらちゃらしてるだけの連中なんか必要ないじゃない』ってことになったらしいのよ。」
「ということは、私のせいってことですか・・・。」
そう言って落ち込む千晶の横で
「でも元ブースチ-フの三嶋さんは、秘書として常務にとりなして下さらないんですか?」
凪咲は疑問を呈する。