【短編】天然お嬢様は焦らされてる事に気づかない。
……そういえば昔、お母様にどうしてお父様を好きになったのかと聞いたら、誠実なところと可愛いところと言っていた事を思い出した。
当時も可愛い?と理解できなかったが、今ふと見ると、確かに……可愛い、かも?
ただの子供のように見えるのだが……。
もしかして、恋は盲目というやつなのだろうか。
「ふふっ。まだ結婚できる年じゃありませんから、猶予はありますよ。……私が結婚するまでも、それからも。沢山の時間を共にできたらいいですね。」
私は両親が大好きだ。いつも優しくて頼りになって、かっこいい。二人がいたから、二人が憧れだったから社長になるための勉強も頑張れた。本当にいつも感謝している。
だからこそ、両親が仕事で忙しいときは寂しかったが、今になって思う。頑張って時間を作ってくれてたんだなあって。
「ああ!紀子は今は海外にいるが、来年には帰ってくるだろうし、また3人で旅行でも行こうか。」
「本当ですか?すごく楽しみっ!」
そんな事を話しているうちにお見合い会場に着いてしまった。
………覚悟は決めた。頑張ろう。
私はお父様のエスコートで踏み出した。