強気で完璧なお嬢様は執事の前でだけヘタレ



 翌日の放課後。

 みそら園へと再び赴いた。

 地域の方々からの感謝状や手紙を見せてもらうために。

 ──みそら園は地域に根付いている。

 わたくしはそれを武器にして、施設を救える手立てを考えるつもりだ。

 ……ここなら藤太と気兼ねなく話せんじゃないかとか、そんなことを考えているわけではない。


「藤太!」


 あれこれ悩む私の耳に、美緒の声が飛び込んできた。


「何?」

「制服の襟、曲がってる」

「え?」

「じっとして」

「別にいいだろ」

「よくない」


 思わず建物の陰に隠れて、そっと様子をうかがう。

 美緒が藤太の襟元に手を伸ばして。

 その指が、藤太の首元に触れる。


「ほら、ここ」

「……自分でやるって」

「動くから直せないの」

「……」


 二人の距離が近い。

 わたくしはその場から立ち去ろうとした。


「瞳?」


 藤太に気づかれてしまった。


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