強気で完璧なお嬢様は執事の前でだけヘタレ



 私は祈るように指を組んだ。

 何に祈っているのか、自分でもわからないけれど。


「違います」

「じゃあ、他にあるの?」

「俺が……」


 審判が下されるような気持ちで、彼の本心が語られるのを待つ。


「俺が、瞳の側にいたいからです」


 聞いた瞬間、崩れ落ちそうになった。

 良かった。

 わたくしと同じ思いを、彼もまた抱いていた。


「みそら園のためでもない」


 藤太は続ける。


「瞳に頼られたからでもない」

「……」

「俺自身が、あいつの側にいたい」


 尚人さんは何も言わなかった。


「笑ってるところを見たい」


 藤太は呟くように言った。


「無理してるときは、気づいてやりたい」

「……」

「ちゃんと飯食ってないときは怒りたいし」


 そこまで言い切ってから、震える小さな声が響いた。


「泣いてるなら……近くにいたい」


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