強気で完璧なお嬢様は執事の前でだけヘタレ



「それが、俺の本心です」


 尚人さんは静かに聞いていた。

 やがて、


「そう」


 と小さく呟いた。


「……それが答えなんだね」

「はい」

「幸せにできるかわからないのに?」

「そうです」

「将来、何をしているかもわからないのに?」

「はい」

「それでも?」

「それでも」


 藤太は迷いのない声で答えた。


「瞳の側にいたいです」


 しばらく、部屋には沈黙が落ちた。

 永遠にも思える時間が過ぎて、尚人さんの声が聞こえてきた。


「……昔から、瞳さんは何でも一人で抱え込む」

「そう、ですか」

「弱いところを見せないし、泣くことも我慢する」

「……」

「そんなあの子が、君の前では泣いた」


 見られていた、と恥ずかしくなるのと同時に、尚人さんの意図がわからず困惑する。


「君がいなくなるのが嫌だと、そう言っていた」


 そこまで聞かれていた。


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