強気で完璧なお嬢様は執事の前でだけヘタレ
4.お嬢様、執事と大暴れする
私立・聖エメレンティアナ女学院中等部。
幼稚園から大学まで、エスカレーター式のお嬢様学校。
元華族の血筋に大企業の社長令嬢等、由緒ある家柄の子女が多く通うこの学舎で、わたくしは今日もいつものように完璧だった。
「瞳って本当に隙がないよね」
その日の昼休みのこと。
隣り合ってお弁当を食べていた香織が、ため息と一緒に呟いた。
「このくらい普通です」
「いやいや、成績は学年一位、礼儀作法は完璧、運動もできる、生徒会長で、先生に当てられてもいつもさらっと答えるし」
「褒めすぎですわ」
わたくしは口角を上げる。
いつも通りの笑顔。背筋は伸ばして、上品に。
久保寺家の娘として恥ずかしくないように。
「それに、いつも冷静だよね」
「そう見えているなら、完璧ですわ」
「何か言った?」
「普段から冷静でいられるよう、心掛けておりますので」
「それが普通の人には難しいんだって」