クールな御曹司は強気な彼女を逃さない〜続編〜
そしてやっと唇が離れた。
「我慢できなかった。許せ」
なんて、悪びれもなくケロッと言ってる。
もうすっかり涙も緊張も引っ込んでしまった。
神父の前に向き直った。
神父はまだ英語で何か言っている。
その間に純平を見上げてギロっと睨む。
「愛してるよ」
私の睨みなんかちっとも効いてない。
めちゃくちゃ愛おしそうに
隣りに並ぶ私を見下ろす純平に、
なんだかもう、どうでも良くなってきた。
だって、私も愛してるから。
結局、敵わない。
「愛してる。純平」
そう言って、私もニコッと笑った。
純平の瞳に、情欲の炎が灯る。
マズイ。
どうやらスイッチを入れてしまったようだ。
純平が無理やり爽やかな笑顔で、
私にだけ聞こえるように耳元に寄せる。
「覚悟しておけよ
逃がさないからな。」
ふふふ。
もちろんだ。受けてたとう。
私は、どうやったって純平からは逃げられない。
「望むところよ」
純平は一瞬驚いた顔をしたが
直ぐにいつものクールな表情になり
「抱きつぶしてやる」
そう言って、フッと口角を上げて微笑んだ。
神聖な場所でとんでもない事を言う。
私は、とんでもない男と結婚してしまったのではないだろうか。
そんな事を思った。