この結婚には愛しかない
それは、いつも画像だけの神田さんからもらった、初めての言葉で。
具体的になにが心配ないのか、色んな意味がとれるからよく分からないけれど。でも神田さんがそういうのだから、無条件に信じられる。
「莉央見てやっぱり成田だわ」
スマホの画面を見せてくれた佐和に、逆にこれ見てとメッセージを見せた手が小さく震える。
佐和が気付いて、その手をぎゅっと握ってくれて。
「もう会いに行きなよ。神田さんのためなら何もかも捨てられるんじゃない?思い切ってみなよ。人生一度きりなんだから」
「長谷川くんに告白されて、私なりにいろいろ思うところもあって。佐和の言う通り、このままずっと会えもしない神田さんに憧れたまま人生終わるのが怖い」
神田さんはあんなにかっこよくて素敵な人だから、ご結婚されているかもしれないし、恋人がいるかもしれない。
そんな想像は、もう何度も何度もしてきた。
わたしはもうこの想いに、何らかの区切りをつけるべきかもしれない。
「佐和、次の休みうち泊まりに来て。話聞いて欲しい」
「もちろん!」
そろそろうちらも戻ろうか。とトレーを持って立ち上がった。