この結婚には愛しかない
「今日は夕食どこかに食べに行こう。何食べたい?」

「家で伊織さんのお好み焼きを食べたいです」

「あー、関西風でいい?こっちのは重ねるからひっくり返すのがね。キャベツがこの前みたいに大惨事になるよ?」

「それがいいんです。笑いながら食べたいです。ダメですか?」

「まいったな。かわいいおねだりは全て叶えてあげたい」

「やった!」

仕方ないなと頭を撫でてくれる、愛しい愛しい旦那様。

膝から降りようとしたら、それを阻む腕が腰を抱きしめて離してくれない。


「俺もおねだりしていい?」

「はい!なんでもしてください!」

「ねえ、キスしたい」

「さっきしちゃったし、ここまだ会社ですし」

「ここ専務室。俺の部屋。鍵してる」

「なんでそんなカタコトなんですかっ」

「もう何回もここでしてるよね。ねえダメ?」

「ダメなんです。伊織さんのキス気持ちよくて...」

「抱かれたくなる?」

「いじわる。言わせようとしないでください...」

「ははっ、いじわるってワードがヤバいね」

もう1回言ってよ、とからかってくる伊織さんの耳元で。


「帰ったらたっぷり愛してください」

目を見て言うには恥ずかしい、本当の気持ち。
< 212 / 348 >

この作品をシェア

pagetop