あなたの子ですよ~王太子に捨てられた聖女は、彼の子を産んだ~
 彼女は恥ずかしそうに、頬を染め上げた。
「どうしたの? 突然」
「いや。幸せだなと思って」
 レナートも眠る息子の頬を、ツンツンとつつく。
「クロヴィス殿には、礼を言いたいくらいだな……」
 不思議そうに、彼女は首を傾げた。
「俺に、ウリヤナと子を授けてくれた」
「だけど、この子は……」
 ウリヤナがにっこりと微笑む。
 ――あなたの子ですよ?
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