溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
ああこんな時、紫音がそばにいてくれたら心強いんだけどな。


きっと彼ならさりげなく会話のサポートをしてくれるはずだから。


そうでなくても初対面の人と話すのって苦手。


「いや、いいんだ。それはそうだろうね。君にしたら初耳だろうからとまどうのも当然だ」


「は、はあ」


彼は小さくため息を漏らした。


「実は僕の父と、君のお父上とは旧知の仲でね」


「え」


旧知の……仲良しってこと?


そんな話は聞いたことがない。


天堂家といえば、名門中の名門。没落しかかっている我が家とは違い、現在でも隆盛を極めている。


噂話に疎い私でもそのくらいは知っている。


その天堂家の当主とうちの父が旧知の仲だなんて、もし本当だとしたら凄いことだ。


にわかには信じられなくて、質問をする。


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