溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
その時、階段を上がり切った紫音が切羽詰まった表情でこっちへ駆け寄ってきた。


「紫音っ、うそ、どうしょう……」


急いで彼に駆け寄ったら、制服のボタンが引きちぎられていたり袖のところが破れていたりでびっくりした。


よく見たら、左の頬が腫れていて唇も切れて出血している。


そんな姿を見たら胸が潰れそうなくらい悲しかった。


「紫音……どうしよう、こんな」


「大丈夫ですか?」


「紫音のほうこそ」


「余裕です、このくらい」


彼は無理に笑おうとしたけど、口を開けると痛いのか顔をしかめた。


「それより、ちょっとそこの生徒会長さんと話したいのでお嬢様は先に教室へ戻っておいてもらえますか?」


こみあげる怒りを無理に抑えこもうとする低い声。


紫音はその場に私を残して天堂さんへと歩み寄る。


そんなこと言われても、彼を残して私だけ教室に戻れないよ。


紫音はどうするつもりなの?


「天堂さん、手荒い歓迎をありがとうございます」
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