溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
しばらくして、話し合いがついたみたいでさっきお嬢様をアウトにされた執事の1人が高らかに追加ルールを宣言した。


紫音につけられた不自然すぎるハンデ。


右利きの紫音が左手でしか投げられないとなると弱体化するのは必至。


戻ってきた紫音が顔をしかめていたから慌てて駆け寄った。


「こっちに来て」と言って体育館のすみっこに引っ張っていった。


そこには誰もいなかったから彼も本音を吐きやすいだろうと思った。


愚痴でもなんでも、私だけは聞いてあげたい。


案の定、彼はカリカリしていた。


「あいつら覚えとけよっ」


「そうだね、ひどいね」


「ハンデなんて冗談じゃない」


うんうんって頷きながら彼の筋肉質な腕をさすってあげたら、はぁってため息をついていた。


「これじゃ、勝てない」


こんなに不貞腐れる彼が、なんだか少し可愛いく思えてヨシヨシと頭も撫でてあげたくなったけど、さすがにまずい気がしてやめておいた。

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