溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
目鼻立ちは母に似ているみたいなんだけど、童顔過ぎていまだに中学生に間違われることもある。


小柄で華奢な体型、一度も染めたことのない黒髪ロング、肌が白くて顔色があんまりよくないから幸が薄い感じがするらしい。


みんなを見送った後、落胆してお部屋で泣いていたら、いつのまにかあたりは真っ暗になっていた。


寒い……。


ブルッと身体が震えた。


部屋の暖房をつけにきてくれる人もいない。


ああ、これからどうなってしまうんだろう。


不安でたまらない。


寂しい、寂しいよ。


あたりはシンと静まりかえっていてますます孤独感が募る。


私の住む邸は豪壮な赤レンガの建物だけど、壁の表面はところどころひび割れている。


邸内はどこもかしこも薄暗くて、近所の人達からはお化け屋敷と呼ばれているらしい。


ひと気が無くなってますます不気味さが増しているだろう。


たくさんいた使用人さんたちを思い出すと悲しくなってくる。


いつもなら今頃はお風呂から上がってフェイスエステや全身のマッサージを受けている頃。


『お嬢様、今日は学校でどんなことがありました?』
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