溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
「いや、俺は……大丈夫ですから。それより寒くないですか?やっぱり暖房の温度、もっとあげましょう」


「ううん、大丈夫」


なるべく節約したいから、我慢我慢。


このお邸は2人で暮らすには広すぎる。


これまで通りにしていたら電気代やガス、水道代がびっくりするくらい高くなってしまうらしい。


先月分の水道光熱費の請求書を見た紫音は真っ青になっていた。


『これは俺がなんとかします。
それよりこれから気をつけましょう。
お嬢様にはご不便をかけますが、節電節水でお願いします』


そう言って請求書をポケットにいれて、見せてくれなかった。


使わない廊下の電気や暖房は全部消して、ダイニングルームじゃなくて自室で食事をとることにした。


寒さ対策に服を何枚も着込んだりもしていて、身体がモコモコ膨れ上がっててなんだか可笑しい。


電気も薄明り。
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