冴えないモブ先生の正体はS級王子様!?
四時間目をサボってしまった私を、凛子が心配してくれていた。

すっごく罪悪感だったけれど、隠すしかない。

私と奏せんせいの秘密が増えていく。

親友にも家族にも言えない秘密。

私達…イケナイことしちゃってる…。

奏せんせいは悪いひとじゃないって証明するために、私が頑張らなきゃ!
そしたら、先生のことが好きかも…?って凛子にも言える気がする。

中間テストまで、私は今までにないくらい勉強した。
授業も居眠りせずに真面目に受けた。

集中して聞いていれば、奏せんせいの声もよく聞こえた。

ボソボソと教科書を読む声を聞きながらも、
甘い吐息を漏らすのは私にだけ。

そんなことを思い出すたびに、キュって切なくなる。

奏せんせいは少しずつ確実に、私を変えていった…。

必死に勉強を頑張ったのに、「奏せんせいのため」って目的が強すぎて、
社会にしかちからを入れなかったのは盲点というか、やっぱり私はバカだった。
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