半径3cm未満に(2)
「…聞こえる」
この状況への困惑から絞りだした声は2枚のドアを挟んだ先生には届いてないだろう。
「ごめん!!入るよ!!!」
…やっぱり。
「…待ってよ、聞こえてるから…大丈夫だから…」
脱衣所のドアが開く音がする。
先生が心配してくれてるのはわかりつつ、動かない手を必死に動かして胸と股を隠そうとする。
「恋衣!!ごめん開けるよ!?!?」
動けないし、隠せないし、大きな声も出せない。
もう駄目だと諦めた時、背中に冷たい風を感じた。
「恋衣!!!!」