元奴隷の悪役令嬢は完璧お兄様に溺愛される

第十七話 あなたとともに歩む未来

 あれから、オリバーは法によって裁きを受け。辺境の地にある砦に幽閉となった。
 オリバーに協力していたエウルア伯爵を筆頭とする貴族も、それぞれに罰を受けたらしい。

 コックス子爵夫人にも違法な薬物の所持、使用などの余罪が見つかり、精神病院から帰ったら裁きを受けることになっている。……もっとも、その精神病院から出てこられるのかはわからないが。
 ヘンリエッタの母親は、彼女の故郷にある村のはずれ、子爵家の管理する小さな家に閉じ込められるようにして暮らしていた。

 やつれてはいたが、王都の病院でヘンリエッタに再会した瞬間立ち上がり、細い腕の中にヘンリエッタを抱きしめ、涙を流してヘンリエッタを呼んだ。

「ヘンリエッタ……!」
「おかあさん、おかあさん……!」

 ヘンリエッタの犯した罪は消えないが、情状酌量の余地があるとされ、修道院で母子ともに奉仕活動をしながら暮らす、ということになった。出入りは制限されるが、もともと予定されていた北の修道院よりは過ごしやすいところだ。

 それに、レインが女王になる頃にはその罪も許され、普通に暮らせるだろう。

「イリスレイン王女殿下、本当に、なんとお礼を申し上げていいか……。ヘンリエッタを助けてくださってありがとうございます……!」

< 238 / 243 >

この作品をシェア

pagetop