誰も知らないもうひとつのシンデレラストーリー
どうしてここまで言ってくれるのかは、やっぱり分からない。

だけど、信じてみたい。

大好きだった村の仲間たちに裏切られた、私の寂しさも辛さもすべて理解した上で一緒にいてくれる。

暖かく包み込んでくれる彼の優しさを。


少女は、王子様の心を受け入れたいと思うようになりました。


「まあ、いいんだ。ゆっくり俺が、伝えていくから」


少女が納得していないことを承知している王子様は、ゆっくりと立ち上がります。


「愛してるよ」


そう微笑む王子様に、少女は、心が揺れ動くのを感じました。


幸せになれるって信じてもいいのかな。

身分なんて気にしないで一緒にいてもいいのかな。


そんな思いが心に浮かび、少女は少し胸をときめかせます。

王子様の想いが少しだけ届き、少女の心の扉を開いた瞬間でした。

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