誰も知らないもうひとつのシンデレラストーリー
Real&Story7
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「じゃあ、今日はデッサンをするけど、見本が1人1つはないから2人ペアね。
適当にペア作った人から、見本取りに来て」
美術の授業中、突如訪れたペア活動。
想定外の出来事に、私は教卓に立つ先生をしばらく見つめてしまった。
取り立てて仲が悪い人もいないけど、仲が良い人もいない私は、少しこの時間が苦手だった。
事前に分かってたら、覚悟をしているからいいんだけど、
突然起こると、やっぱり心は引きつったように少しだけ苦しくなる。
まあ、考えたって仕方ないし、
自分から声を掛けるのも苦手だし、余った人と組もう…。
そんな思いで、席に座っていると、後ろから無邪気な声が聞こえた。
「妃花、一緒にやろう」
過半数が、男子同士女子同士で組むだろうこんな授業で堂々と誘われて、周りから少しだけ黄色い声が漏れた。
「え…やば、皇輝やっぱ本気じゃん」
「なんか妃花ちゃん、羨ましいかも」
そんな声が囁かれる中、私は少し戸惑う。
断る理由もないけど…また嫌な事言われたりしないかな。
皇輝はクラスの人気者だから、私なんかと組むなら組みたいって思う子は山ほどいるだろうし。
「な?組もう!」
そんな考えを見透かしたように、隣まで来て、笑い飛ばす皇輝。
以前、一緒に帰った日に、「関係なくね?」と笑った通り、
彼はあれからも周りなんて気にしない様子で、私に話しかけに来ていた。
その笑顔は不思議と私にまで勇気をもたらす。
「うん、組もうか…」
そうして、気付かないうちに一緒に過ごす時間も増えていた。
「じゃあ、今日はデッサンをするけど、見本が1人1つはないから2人ペアね。
適当にペア作った人から、見本取りに来て」
美術の授業中、突如訪れたペア活動。
想定外の出来事に、私は教卓に立つ先生をしばらく見つめてしまった。
取り立てて仲が悪い人もいないけど、仲が良い人もいない私は、少しこの時間が苦手だった。
事前に分かってたら、覚悟をしているからいいんだけど、
突然起こると、やっぱり心は引きつったように少しだけ苦しくなる。
まあ、考えたって仕方ないし、
自分から声を掛けるのも苦手だし、余った人と組もう…。
そんな思いで、席に座っていると、後ろから無邪気な声が聞こえた。
「妃花、一緒にやろう」
過半数が、男子同士女子同士で組むだろうこんな授業で堂々と誘われて、周りから少しだけ黄色い声が漏れた。
「え…やば、皇輝やっぱ本気じゃん」
「なんか妃花ちゃん、羨ましいかも」
そんな声が囁かれる中、私は少し戸惑う。
断る理由もないけど…また嫌な事言われたりしないかな。
皇輝はクラスの人気者だから、私なんかと組むなら組みたいって思う子は山ほどいるだろうし。
「な?組もう!」
そんな考えを見透かしたように、隣まで来て、笑い飛ばす皇輝。
以前、一緒に帰った日に、「関係なくね?」と笑った通り、
彼はあれからも周りなんて気にしない様子で、私に話しかけに来ていた。
その笑顔は不思議と私にまで勇気をもたらす。
「うん、組もうか…」
そうして、気付かないうちに一緒に過ごす時間も増えていた。