【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない
「なにこれ……?」
「キスマークだよ!」
「キスマーク……って、なに?」
「なっ、キスマーク知らないのか〜! そんなゆるるんも可愛いけど!」
瑛茉ちゃんの感情がくるくる変わって忙しい。
「キスマークっていうのはね、独占欲のあらわれっていうか。こいつは自分のものっていう印みたいなもの」
独占欲?
これを藍くんがつけたとすると、わたしに対して独占欲を……?
「でもそんなところに……。藍先輩って来るもの拒まずでなににも執着しなそうに見えるのに、ゆるるんだけは特別なんだね」
瑛茉ちゃんがぶつぶつとなにか呟いているけれど、わたしは頭の中がぐるぐるしていた。
だって、意味がわからない。
藍くんが独占欲なんて、なんで?
いくら赤い痕をさすってみても、答えは見えてこなかった。