【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない
『そろそろ帰るか』
『だなー』
だらだらといつものゲーセンで時間を過ごし、夕方になった頃、俺たちは解散することになった。
そして家に帰る途中、街路樹のそばでうずくまる人影を見つけた。
なにをしてるんだ?と不審に思ったその時、人影がいきなり起き上がり『あった!』と声をあげる。
それは昼間会った彼女だった。
顔を上げた拍子に数メートル先に立つ俺を見つけた彼女は、土や葉で汚れた顔で嬉しそうに笑った。
『見つけました……!』
『え?』
その手には、たしかに俺が着けていたピアスが握られていて。