【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない
「あ、藍くん……っ? わたし、汗臭いよっ」
くさいだなんて思われたくなくてほんの少し体をよじらせてみるけれど、藍くんの腕の力はちっとも緩まない。
それどころか藍くんはわたしの耳元でふっと笑う。
「お前、ほんといい女だよな」
「え……っ」
どこまで動揺させたら気が済むんだろう。
高鳴りが収まらない鼓動を聞きながら、わたしは藍くんを心の中でそっと責めた。