The previous night of the world revolution8～F.D.～

「…？？どうしたんだ？何か用があったんじゃないのか」

「え？いや、その…。…な、何なんですか？その格好…」

「これか？格好良いだろう？」

俺は、その場でくるっと一回転してみせた。

「今丁度、この服を帝国騎士団の制服として正式に変更しようかと考えていたところだ」

「えぇっ…。じ、自分も、その格好をさせられるんですか…！？」

愕然、といった顔で立ち尽くす部下。

「…何か駄目なのか？」

「えっ。いやっ…えぇと…。…自分は…こ、このままの方が良いかと…」

「…そうか…」

それは残念だ。

良い考えだと思ったんだけどな。

「そ…そんなことより、オルタンス団長！」

「そんなこと？」

俺にとっては非常に大事なことだったんだがな。

制服が格好良いと、仕事に対してやる気が出るだろう？

「真面目な話です…。それが…その、つい先程連絡が入って…」

「何かあったのか？」

「帝国騎士官学校前理事長の…アジーナ・ミシュル・サイネリア女史が…何者かに殺害されたそうです」

「…」

部下は真っ青な顔をして、そう報告した。

…そう。そうか。成程。

夜明け前に、突然部屋に飛び込んできたと思ったら…そんなことがあったのか。

それは…一大事だな。

「そうか…。他の隊長達には伝えたか？」

「はい…。今、お伝えに回っています」

「一度見てみたいな。現場を見に行けるか？」

「勿論です。…すぐに手配します」　

制服を着ておいて良かった。

緊急事態だし、このまま行くとしよう。