The previous night of the world revolution8~F.D.~
「お願いです…。俺のことを思ってくれるなら、あなたはここに残って、他の皆さんを支えてあげてください」

「…そんな…。ズルいわ、そんな言い方、ズルい…」

済みません。俺、ズルい男ですね。

シュノさんには誠実でありたいと思っていたのに。

…だけど、これだけはどうしても譲れないのだ。

大切な『青薔薇連合会』を守る為に…。

「…分かった。そこまで言うなら、もう止めない。『青薔薇連合会』を出ていくと良い」

「…アイズ…!何を言うの?」

「勘違いしないで、シュノ。君達が出ていくのは、『ほとぼりが冷めるまでの間』だけだ」

「…え」

シュノさんはぽかんとしていたけど、アイズの顔は真剣そのものだった。

「こうなった以上、事態が落ち着くまで隠れておいて。その間に私達が、真犯人を見つけるから」

…ほう。

断言しますか。それは大きく出ましたね。

「まぁ、それが俺達に出来ることだろうな。心配するな、先輩方。この名探偵ルリシヤが、必ず犯人を見つけてやろう」

「勿論僕もお手伝いしますよ。師匠を助けるのは弟子の務めですからね」

ルリシヤと、ルーチェスが続けて言った。

「アリューシャは…アリューシャは馬鹿だけど、出来ることも狙撃くらいしかねーけど。でも、誰でも撃ち抜いてやるから。ルレ公を陥れた奴、何人でも、何キロ先からでも撃ち抜いてやる。それでルレ公が戻ってくんなら」

「…アリューシャ…」

…それは頼もしいですね。

アリューシャが言うと、あながち誇張に聞こえないから凄い。

「だからシュノも、ここに残って、私達と一緒に真犯人を見つける手助けをしてくれないかな」

「…」

アイズの頼みに、シュノさんは無言で俯いた。

それでも彼女は、俺についてきたいという思いがあるのだろう。

一緒に来てくださいと、俺だってそう言いたい。

だけど、俺はそう言いたい気持ちをぐっと堪えた。

「…お願いします、シュノさん」

代わりに、シュノさんの手を優しく握り返した。

「俺の帰ってくる場所を守ってください。何もかも全部終わって、落ち着いて、俺の無罪が晴れたら、必ず戻ってきますから」

「…ルレイア…」

「頼んでも良いですか?」

「…。…うん、分かった」

シュノさんは、俺の手をぎゅっと握り返しながら答えた。

涙を滲ませて、それでも迷いのない瞳で。

「ルレイアが頑張るなら…私も頑張る。二人が戻ってくる場所…ちゃんと…守るから。任せて」

「えぇ。お願いします」

「いつまででも…ずっと待ってるから。絶対、帰ってきて…」

…頼まれるまでもありませんよ、そんなこと。

他に帰りたいところなんて、ここ以外ないんだから。

「必ず帰ってきます。約束します」

「私の力が必要だったら、いつでも言ってね。帝国騎士団が相手でも、あなたの為なら怖くないわ」

そう言うシュノさんの言葉には、迷いも躊躇いもなかった。
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