The previous night of the world revolution8~F.D.~
「私もルレイアと一緒に行く。ルレイアとっ…ルルシーの味方が、一人もいないなんて、そんなのおかしいもの…!」

「シュノさん…」

「シュノ…」

俺も、ルルシーも、シュノさんの気持ちは痛いほどよく分かった。

そして、有り難くもあった。

そんな風に言ってもらえるだけで、心が軽くなる。

だけど…でも…それだけに、彼女の言葉を受け入れる訳にはいかなかった。

「駄目ですよ、シュノさん…。気持ちは嬉しいですけど、でも『青薔薇連合会』にはシュノさんがいないと…」

「そんなのっ…!ルレイアとルルシーも同じことじゃない。あなた達がいないと、『青薔薇連合会』は『青薔薇連合会』じゃないわ!」

…そうですか。

そう言ってもらえて光栄ですね。…とても。

「私も一緒に行く。ルレイアと、ルルシーと、同じ危険を背負うわ…!」

勿論、シュノさんが来てくれたら…百人力ではある。

でも…。

「…シュノ。ちょっと落ち着いて」

アイズが、俺の代わりにシュノさんの肩に手を置き、そっと彼女を宥めた。

「落ち着いてなんかいられないわ…!ルレイアが出ていこうとしてるのに、皆どうして止めないの?私と同じ気持ちじゃないの…!?」

「皆同じ気持ちだよ。ルレイアも、ルルシーも、私達にとって何より大切な仲間だ。家族だよ。皆それは分かってる。シュノだけじゃない」

「…!」

その表情を見れば分かる。

誰もが、俺のことを、俺とルルシーのことを心配してくれてるって。

…だからこそ辛いんですよ。

いっそ、気軽に手を振って送り出してくれたら楽だったんですけどね。

「アリューシャだってな、ルレ公とルル公がいないのなんて嫌なんだからな。めっちゃ嫌なんだからな」

アリューシャが、眉間に皺を寄せて言った。

「同感だ。ルレイア先輩と、ルルシー先輩のいない『青薔薇連合会』なんて、味噌の入ってない味噌汁みたいなもんだ」

と、ルリシヤ。

味噌の入ってない味噌汁…。それはただの汁ですよ。

「言っときますけど、僕が一番辛いんですからね。僕はルレイア師匠に師事する為に、皇太子やめて『青薔薇連合会』に来たっていうのに。ルレイア師匠がいなかったら、僕、何の為にここまで来たのか分かりませんよ」

ルーチェスが言った。

それならまだ皇太子やっとけば良かった。ってなりかねませんね。

「…私もそうだよ。君達がいないと、『青薔薇連合会』じゃない。だから何処にも行って欲しくない」

最後に、アイズが俺とルルシーを見つめながら告げた。

「それでも…君達は行くんだね?」

「…えぇ、行きます」

皆さんの気持ちは分かってます。

だからこそ…あなた達を傷つけたくない。この…大事な家を守りたい。

「それなら、私もっ…」

「待ってください、シュノさん」

と、言いかけたシュノさんを手で制止した。

一緒に来てくれるのは嬉しい。けれど。

「…あなたは駄目です。どうかここにいて、アシュトーリアさんと、アイズ達を支えてあげてください」

「どうして…?私じゃ駄目なの?私じゃ…ルレイアの力になれないの?」

「違います。逆ですよ…。俺とルルシーが抜けたその穴を、埋められるのはあなた達だけなんです」

俺とルルシーが抜ければ、『青薔薇連合会』は幹部を二人失うことになる。

そのせいで、『青薔薇連合会』は大幅に弱体化してしまう。

更にシュノさんまでいなくなったら…いかに天下無双の『青薔薇連合会』と言えど、立場が危うくなってしまいかねないのだ。

それだけは防がなくては。
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