The previous night of the world revolution8~F.D.~
さて、早速。

俺とルルシーは、部屋の鍵を開けて、新居に入った。

うきうきわくわく新生活ですよ。最高ですね。

しかも、ルルシーと同棲。

ここがシェルドニア王国じゃなかったら、最高だったんだけどなぁ。

外観は寂れたアパート、といった印象だったが。

部屋の中は意外に綺麗で、ルシードの言う通り、家具も家電も一通り揃っていた。

「へぇ…。結構綺麗だな…」

これには、ルルシーも感心していた。

「クローゼットもベッドも…。…お、冷蔵庫と洗濯機まである。至れり尽くせりだな…」

それだけじゃないですよ。

エアコン、テレビ、電子レンジに電気ケトルまでついている。

何も買い揃えなくても、このまま生活を始められそうですね。

「見てくださいよ、ルルシー…。クレジットカードまで置いてありますよ」

テーブルの上に、王家の紋章がついた白いクレジットカードが置いてある。

必要なものがあったらこれで買え、というアシミムの気遣いでしょうね。

「凄いな…。そこまでしてもらえるなんて…。…何だか申し訳なくなってきた」

ルルシー、あなたが人が良いですね。

「アシミムにされたこと、もう忘れたんですか」

「あ、そうか…。ルレイアを洗脳しやがったんだからな。じゃあ、やっぱりこのくらい当然だ」

変わり身早いですね。

どれだけ買い物しても、支払うのはアシミムなんだから。

思いっきり、欲しい物全部買っちゃいましょうか。

家とか。車とか。

まぁそれは冗談ですけど。

俺は、改めて今日から住むことになるアパートの室内を、ぐるりと見渡した。

「…うぇ」

「どうした」

「失礼。何もかも真っ白で気持ち悪いです」

「あ、そうか…。…そうだな…」

家具も家電も、全部揃ってるのは有り難いんですよ。

窓にはカーテンがかかってるし、床にはふかふかのカーペットまで敷いてある。

でも、白いんです。

家具も家電も、カーテンもカーペットも。

テーブルに置いてあるクレジットカードだって、ぜーんぶ真っ白。

一面銀世界なんです。

目に悪いですよ、この部屋…。

「この国には、火と空以外に白くないものはないんですかね?」

「さ、さぁ…。あんまりないだろうな…」

やれやれ、先が思いやられますよ。

亡命させてもらってる身なんで、贅沢言えませんけどね。
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