The previous night of the world revolution8~F.D.~
「だって、ルルシー。どう思います?」

「良いじゃないか。折角なんだから、名前、つけてやれよ」

そうですか。

俺の素晴らしいネーミングセンスで、それはもう可愛らしい最高の名前を考えてあげましょう。

ルアリスのメスガキ2号に相応しい名前…。…そうですね。

「…じゃ、タローで良いんじゃないですか?」

「…お前、もう少し真面目に考えろよ」

えっ?

ルアリスとセトナさんが目を点にして、次女を見つめて「え?この子タロー?」みたいな顔をしている。

「その子は女の子だろ!女の子の名前をつけてやれよ」

「じゃあハナコで」

「…ふざけてんのか?」

ルルシー、激おこ。

「あのな、名前は一生モノなんだぞ。もっと真剣に考えろ。この子は一生、お前のつけた名前を背負って生きることになるんだぞ」

「わ、分かってますって。ほんの冗談じゃないですか、冗談」

ルルシーは、鬼気迫る表情で俺を睨んでいた。

怖っ。

考える、ちゃんと考えますって。

そうだなー。可愛くて格好良い名前…。

「…よし、それじゃ『ノワール』なんてどうです?」

どうです。可愛いじゃないですか。

「ふーん、ノワール…。まぁ、ルレイアにしてはまともな名前だな…」

「にしては」ってどういう意味ですか。

タローとハナコも立派な名前じゃないですか。…まぁ犬っぽいけど。

「ちなみに、それはどういう意味なんですか?」

と、セトナさんが尋ねてきた。

我が子の名前の由来、当然知りたいですよね。母親なら。

「外国語で『黒』って意味です」

「えっ…」

俺らしくて良いでしょう?実に分かりやすい。

ってな訳で、この子は黒の名を冠する神聖な女性になるということで、

「ふざけんな。そんな名前は却下だ!」

何故か、ルルシーに止められてしまった。

「何でですかっ?今まともな名前だって言ったじゃないですか」

「ペットの名前じゃないんだぞ、馬鹿。黒なんて人の名前に相応しくないだろ!」

「酷い!」

これが白とか青だったら許されるんでしょう?黒だけ許されないなんて、そんなのズルいですよ。

「もっと真剣に、真剣に考えろ」

俺だってちゃんと真剣に考えてますよ。

「そうですね…じゃ、『メラン』ちゃんなんてどうです?」

「メラン…?まぁ、可愛い響きだけど…」

ね?そうでしょ?

「で、そのメランっていうのはどういう意味なんだ?」

「これも外国語で『黒』っていう意味ですね」

俺が言うなり、ルルシーの鉄拳が飛んできた。

避けましたけど。華麗に。
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