社内捜査は秘密と恋の二人三脚

 片想いの相手もいずれ社長になろうかという人物。

 うまくいくならいいが、氷室家の遠縁にあたる一族の人でこじらせると公私ともにまずい。社長が彼女をその人から引き離したいという気持ちはわからないでもない。

 だからといって何故俺なんだ?もう少し他にいたろう。ため息を吐いた。

「……悪いな。瞳のことはお前を巻き込むことではないと父には言ったんだけどな。要するにお前を息子にしたいんだよ、結局それにつきる」

「……諦めが悪いのは娘だけでなく、父親も同じでしたね」

 陽樹が驚いた顔をしてこちらを見た。
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