社内捜査は秘密と恋の二人三脚

彼の本心

 タクシーで私のアパート近くのコンビニまで行った。降りて軽く買い物をしてから帰ってきた。

 彼氏をこのアパートへ入れたことは一度しかなかった。

 悟は同期で同じ部だったし、他にも同じ会社の人が住んでいるのを知っていたからだ。

 そんな私が彼をすぐにここへ連れてきた。そこには私の気持ちが見え隠れする。

 私にとって、付き合ってもいない男性を自分の部屋に呼ぶなんて、今までならあり得ない。

 だって、彼との関係は今のところあのワンナイトで終わっている。今は付きあえないと言われ、放置された上、今日に至る。

 そして彼は、自分の縁談がまだ解決してないのに今夜もそういうことを匂わせた。まるでセフレだ。
< 217 / 385 >

この作品をシェア

pagetop