社内捜査は秘密と恋の二人三脚

「あなたが専務の友人だというだけでなく、お父様である社長に気に入られて入社していると教えてくれたの。それを聞いたらそれ以上聞く勇気がなくなって……だんだん悲しくなって、もういいですって文也さんの話遮ってしまった。それで飲んでいたら酔い潰れたの」

 突然彼は私を抱きしめた。

「はー、里沙お前そういうところすごく可愛い。だから、文也も里沙のこと気に入ってものにしたいとか言い出したんだな。危ないところだった」

「文也さんはそんな私を見て、あの縁談をあなたは望んでいないし、だからこそ待ってろと言われたんじゃないかって慰めてくれた」

「里沙、俺の彼女になるよな?」

「縁談がなくなったらでしょ?」
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