社内捜査は秘密と恋の二人三脚

 里沙と最初の日に出社してから一週間。全く会う時間がない。

 帰りも遅くて、連絡できず、まずいと思いながらも寝落ちして翌日。余裕が全くない。

 企画室へ未だ一度も顔を出せていない。まあ、梶原に室長を任せておけば安心だというのもあり、今まであまり営業部に表立って関わっていなかったのでそちらに顔を出すことが増えてしまった。

「鈴村さん。一昨日話してあったとおり、秘書室で鈴村室長の取締役昇格のお祝いをします。今日は金曜日です。必ず来て下さいね」

「……は?え?そんなこと聞いてないと思うが」

「そんなわけないじゃないですか。いつだって適当に聞いてましたよね。でも予約済みですし、専務に了解はもらってますからよろしくお願いします」

 挨拶に来た秘書室のふたりの女性が専務を見ながらニヤニヤしている。京子さんは知らない振りしている。なんなんだよ。
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